連続セミナー

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Latest Update:2021.12.07
連続セミナー
第2期(2021年度)
開催終了印
社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~
~8回シリーズ(予定)
主催:公益社団法人日本フィランソロピー協会
助成:公益財団法人JKA
2021年度JKA補助事業「児童、高齢者、障がいのある人が相補的に関わることのできる地域共生型社会づくりを促進する活動、調査・研究等」
NPOやソーシャルビジネスは、従来のやり方では対応しきれない、社会の多様なニーズに、先駆的に取り組むことから、改めて注目を集めています。ただ、こうしたセクターは慢性的な資金不足や人手不足という課題を抱えています。そのため、社会経験と人間性を兼ね備えた企業人やシニア層の積極的な参画が期待されています。
 
本連続セミナーでは、社会のために自らを役立てたいと願う企業人、シニア層が、社会貢献活動を始める前段階として、社会課題の実情を知る機会を提供します。また、どのような場面で、社会人の参画が求められるのかを理解することで、実際に参画していくきっかけを見つける場ともなります。
2021年10月から2022年2月にかけて全8回のセミナーを予定しています。
開催方式:
ビデオ会議システム『Zoom』を使ったオンラインで開催いたします。
『Zoom』は無料でご利用いただけるシステムで、当協会から事前にお知らせするURLをクリックするだけで参加可能です。『Zoom』への接続方法は、お申込みいただいた方に別途ご連絡いたします。
 
参加費:
無料
プログラム
各回の内容および講師は変更する場合があります。
 
 
開催終了
 
開催終了/2021.1.30
<第1回>
日時:
2021年10月25日(月)19:00~19:45(18:45開場)
※講演30分、質疑応答15分
テーマ:
若年女性支援からみえてきたこと~若草プロジェクトの活動を通して~
講師:
村木 厚子(むらき あつこ)さん
一般社団法人若草プロジェクト 代表よびかけ人
元厚生労働事務次官
村木厚子さん
 
<講師からのメッセージ>
日本ではこのところ「女性活躍」がとても大きな社会課題として取り上げられています。一方で、貧困や虐待、いじめなどで厳しい状況にある少女や若い女性の問題は、見過ごされがちでした。ところが、昨年から始まったコロナウイルスの感染拡大で、サービス業などを中心とした女性の失業や若年女性の自殺が急増したことによって、彼女たちが厳しい状況にあることがあぶりだされました。
 
少女や若い女性たちの置かれている厳しい状況を、若草プロジェクトの活動を通して、みなさまにお伝えしたいと思います。そして、大人には何ができるかを一緒に考えたいと思います。多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
 
<講師プロフィール>
津田塾大学客員教授。土佐高校、高知大学卒業後、1978年、労働省(現・厚生労働省)入省。2008年に雇用均等・児童家庭局長を務めた後、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)、厚生労働省社会・援護局長を歴任し、2013年7月から2015年9月まで厚生労働事務次官を務めた。
退官後は伊藤忠商事取締役、住友化学取締役、大妻学院理事、土佐高等学校理事、内閣官房孤独・孤立対策担当室政策参与に就任。一般社団法人若草プロジェクト代表よびかけ人。
 
<若草プロジェクトとは>
貧困、虐待、ネグレクト、DV、薬物依存など、少女や若い女性たちを取り巻く社会環境には、ときとして厳しいものがあります。しかし、生きづらさをかかえる少女や若い女性たちは、一人で何とかしなければと苦しんでいます。若草プロジェクトでは、心にSOSを抱えた少女や若い女性たちと、彼女たちを支援する人たち(支援者)とをつなげ、彼女たちの心に寄り添う支援を届けます。また、彼女たちに信頼される大人になるための講座や、彼女たちのことを知るためのシンポジウムも開催しています。
 
若草プロジェクト・ウェブサイト:https://wakakusa.jp.net/
*若草プロジェクト・YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCRjLgr3jJzEBtMtEAMmFeQQ
 
 
開催報告
講演要旨:
いずれの画像もクリックすると拡大します。
若草プロジェクトは、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが、ご友人に「私たちがやり残していることはないかしら? いま解決すべき優先課題はなんだろう」と話されたのが出発点です。村木さんたちが「若年女性への支援」を答えにあげたのが、若草プロジェクトの始まりとのことです。
 
豊かな国とされている日本でも、貧困に直面する子どもたちはいます。村木さんたちが特に「若年女性」に焦点を当てているのは、家庭環境に問題があって「早くこの家を出たい」と思ったときに、「今晩泊めてあげるよ」と言って近寄ってくる大人がいたり、性産業があるなどの社会的リスクが背景にあるからということです。
 
「若草プロジェクト」の活動の柱は、「つなぐ」「まなぶ」「ひろめる」の3つ。
「つなぐ」は、現状を脱したいと思っている女の子たちと社会的な支援をつなぐこと。そして、支援者同士もつながること。「まなぶ」は、家出をして自分で生きていこうとする女の子たちを、「不良」だと言ったり「自己責任」だと言ったりする人たちや社会の意識を変えるため、女の子たちが置かれている状況を知ったり、学んだりする場をつくること。「ひろめる」は、若年女性たちを取り巻く問題の深刻さを世の中に広く訴えることです。
 
新型コロナの流行が始まった直後、2020年4月の終わりごろから急激にLINEでの相談が増えたと言います。「コロナの影響で1カ月ほど仕事が休みです。シフトが入りません」といった経済的な困難についてのコメントや、「コロナで家にいなければならず、居場所がないです」といったコメントが多く見られたそうです。新型コロナ流行によって、もともとあった苦難がさらに深まっています。
 
若草プロジェクトでは、「若草ハウス」というシェルターを運営しているほか、「まちなか保健室」という場も運営しています。「学校の保健室が学校の外にもあったらいいね」と言われたことがきっかけで、作られました。相談とまではいかなくても、誰かと話せる場所があったらいいということで、2020年に始めたところ、立ち寄ってくれる子がたくさん出てきたということです。
そのほか、少女たちが抱える問題を知ってもらうために、YouTube チャンネル「若草チャンネル」もスタートしています。
 
ただ、こうした取り組みを通して、「本当に支援が必要な子ほど、支援につながっていない」と痛感しているそうです。
 
若草プロジェクトでは、「デジタルプラットフォーム」、「若草×服のチカラプロジェクト」、「若草メディカルサポート基金」など、企業や団体などと連携した支援活動も展開しています。
 
最後に、政治や行政の取り組みにも触れられました。児童福祉制度は対象が18歳までで、一方、婦人保護施策(売春防止法)は売春のおそれがある女子などの保護更生を目的としています。
その狭間にある、生きづらさを抱えた若年女性支援のために、今、厚生労働省が検討会を開いていると言います。若草プロジェクトのメンバーもそこに入り、若年女性を支援する新しい法律をつくるために、働きかけしていると話されました。
近年、女性活躍推進が叫ばれているものの、その前に「活躍できるスタートライン立つための支援」が必要になっている現状を広く知ってもらいたいと強調して講演を締めくくられました。
 
 
YouTube画像をクリックすると講演全編をご覧いただけます。
 
事務局:
公益社団法人日本フィランソロピー協会
担当: 大倉 寿之(おおくら ひさし)、宮本 栄(みやもと さかえ)
TEL: 03-5205-7580 FAX: 03-5205-7585 Emailは こちら から。
「社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~」おわり
受付開始:2021.10.01
セミナー開催:2021.10.25
開催報告掲載:2021.12.07
最終更新:2021.12.07
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