JAいしのまきは三陸沿岸の石巻市、東松島市、女川町を管内とし、東日本大震災の大津波では農地の約3割に当たる3,600haが海水の流入による被害を受けました。また園芸部門では、鉄骨ハウスなど施設20haが倒壊したほか、農機具の流失など多くの生産基盤を失いました。また2市1町内で倒壊家屋4万700戸、死者・行方不明者6,000名を超えるなど未曾有の大災害となりました。
震災直後は、大きながれきや堆積物で農地の復旧の見通しは全くつかない状態が続きましたが、国の災害復旧事業、地域の復興組合の立ち上げ、JAグループ全国のボランティアによるがれき、堆積物の撤去など復旧に取り組んだ結果、現在では被災農地の50%まで回復することができました。しかしながら、今回の震災はあまりにも規模が大きすぎ、復旧復興はこれからが正念場だと思っているところです。
このような状況の中、今回のキリンビール株式会社、日本フィランソロピー協会の取り組みは大震災で生産基盤を失い、営農意欲まで失いかけていた農家に明るい希望の光をもたらすものであり、深く感謝と御礼を申し上げます。今回ご支援いただいたトラクターは、これからの営農再開に大いに役立つとともに、農業復興の大きな足掛かりになるものと確信する次第です。またご支援を受けられます45名の方々には、今回の「絆」に感謝をしながら、これまで以上の営農再開に向けて取り組んでいただきたいと思います。
管内の園芸施設はハウス建設の途中であり、小さながれきの撤去や除塩作業をしながら順次再開の準備を進めているところです。ご臨席の皆さまにおかれましては、ぜひ組合員が頑張っている姿を見ていただき、また生産しました暁には、JAいしのまきの農産物を食べていただきたいと思っております。