福島県JAグループ3団体 贈呈式
日時:平成25年(2013年)11月14日(木)11:00~12:30
会場:JA福島ビル 10階1001会議室
JA福島ビル10階の窓外には北方の蔵王に続く豊かな大地が広がっていた。この日の贈呈式には、今出来ることを手掛かりに震災と風評被害に立ち向かう農業者が集っていた。手を拱いている農業者はいない。皆次々と手を打っていた。今は行動することが一番重要な時期だと知っているのだと思った。
開会 主催者挨拶
キリン株式会社 常務取締役 CSV本部長 橋本 誠一
福島の和梨を使った「氷結和梨」が好調
キリングループでは、震災以降、「復興応援キリン絆プロジェクト」を立ち上げ、はなはだ微力ではありますが、復興支援のために私たちができることはないかと取り組んでいるところです。ここ福島県の農業支援でも全農、JAグループ様にご協力をいただき、農業機械をお届けしてまいりました。最近では、今後のあるいは将来の農業の発展にお役に立ちたいと、地域ブランド応援体制を作ること、6次産業化を支援すること、次世代担い手の育成などにおいて、私どもなりに色々考えているところです。そのような中、今回、福島JAグループ3団体の5つの素晴らしいプロジェクトを支援させていただけることになり、大変喜んでおります。私どもの支援はささやかなものですが、このプロジェクトが成功し、また成長して将来の福島県の農業の活性化につながることを心より祈念しております。
また、本日はキリングループの従業員が行った募金を福島県の果樹事業の復興に向けての取り組みに活用していただきたいと持参してまいりました。先週11月5日、私どものチューハイブランド「氷結」に、福島県の和梨を使った期間限定の商品を発売いたしました。いろいろなデータを見ていますが、大変に好調な滑り出しです。ある大きなコンビニエンスストアチェーンでは売上1位に入っています。好調に売れているということをご報告いたします。
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子
地域のネットワーク
選考プロセスの中で一番感じますのは、このプロジェクトの目的は、地域をブランディングし、活性化することであり、6次産業化を通して復興への道筋を示すことですが、これには地域をカバーするネットワークが必要であり、そしてネットワークを作れるかどうかは、まさにJA様の働きにかかっているのだと思います。生産者の頑張りをつないで、大きな力にして、これを地域発展の動力にしていくところに、大きな意味があると思っております。
福島県は震災だけではなく原発問題があります。 「なぜ福島なんだ」という思いもあると思います。自分のせいではない困難に向かい、ひたすら頑張ってきた皆さまそれぞれに課された試練は、日本国民全体に課された試練だと思っています。
そのひとつの象徴が「氷結和梨」であると思います。課題先進県の福島県はこれから復興と日本再生の先進県になってほしい。前例のない試練があると思いますが、前例がないので前例に従うことは出来ません。前例にとらわれず、未来に向けていろんな形で皆さまの連携を深めながら進んでいただければと思います。
女性は消費者の代表
最後に1つ、前例のないということでお願いしたいのですが、今会場を、見渡す限り男性ばかりでして、これは日本の再生を考えた場合に極めて良くない状況なのではと思っております。生産者であると同時に消費者でもある皆さん、しかし消費者である部分の相当な実権は、女性が握っているのではないかと思います。6次化は消費者を知らなければ始まりません。
若手もシニアも、女性も男性も、みんな世代を超えて、所属を越えて、性差を越えて、力を尽くして福島の元気のために、日本再生のために、「つながる仕事」をしていただければと願っております。
目録贈呈
内容説明
キリン株式会社 CSV推進部 キリン絆プロジェクト リーダー 野田 哲也
農業の復興支援は、復興支援第1ステージとして、震災後から2012年まで、震災により被害を受けた岩手、宮城、福島の農家の皆さまに、JAグループと連携し、稼働していない中古農業機械のリユースを行うなど営農再開を支援してきました。その結果、農業機械支援金額は5億2,100万円、農業機械は386台が購入されました。
続いて2013年度からは、被災地のさらなる農業復興に向け、復興支援第2ステージとして、農産物のブランド育成支援、6次産業化に向けた販路拡大支援を行っております。
今回は福島のJAグループ、いわき市農業協同組合様、そうま農業協同組合様、麓山高原豚生産振興協議会様に対して、それぞれの復興プロジェクトにおける農畜産物や加工品のブランド育成、販路拡大、情報発信等への支援として助成させていただくものとします。
いわき市農業協同組合 ねぎ部会
15,730,000円
いわき市農業協同組合
28,000,000円
そうま農業協同組合 北萱浜機械利用組合
19,623,000円
そうま農業協同組合 新地園芸部会
30,282,000円
麓山高原豚生産振興協議会
16,000,000円
福島県 JAグループ助成額合計:
109,635,000円
また、本日は上記の助成金とは別にキリングループ社員から集めた募金と、キリンホールディングス株式会社からの支出を合わせて、707万1,040円を福島県産果樹事業の再興、およびブランド確立支援のために 全農福島県本部様に贈呈させていただきます。
復興応援キリン絆プロジェクト第2ステージ助成金
受贈者:いわき市農業協同組合 代表理事常務 片寄 利剛 様
そうま農業協同組合 営農経済担当常務 八巻 誠 様
麓山高原豚生産振興協議会 会長 石井 友幸 様
贈呈者:キリンビールマーケティング株式会社 福島支社長 椎屋 直孝
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子
キリングループ復興応援「絆」募金
受贈者:全国農業協同組合連合会 福島県本部長 本田 良智 様
贈呈者:キリン株式会社 常務取締役 CSV本部長 橋本 誠一
受贈者代表挨拶
いわき市農業協同組合 代表理事常務 片寄 利剛 様
漸く農地の復旧に目途。しかし農業の復興はまだまだ遠い。
震災から2年8か月が経過しました。被災地では、農家、JA、行政が一体となって、農地の復旧、農業の復興に取り組んでいるところです。
いわき市では500ヘクタールの農地が津波で被災し、そのうち250ヘクタールが復旧いたしました。残り250ヘクタールが基盤整備事業をしており、平成27年度(2015年度)には開業する見通しです。ようやく農地の復旧については目途がついてきました。
しかし、原発事故はまだ収束の見通しが立たない状況で、東京電力からの損害賠償金の支払いの遅れや、福島県の農産物への風評被害が続いている状況です。農業の復興という意味では、まだまだ遠く、時間がかかってくると思います。
このような状況の中で、キリングループ様、日本フィランソロピー協会様には農業復興に多大な支援、ご協力をいただきました。昨年(2012年)は農家の営農再開に不可欠な農業機械58台を提供いただいたほか、本年度(2013年度)は、地域ブランド育成、6次産業化をテーマに、地域の特色ある作物や商品の掘り起し、新たな加工品の開発などにご支援をいただいております。
当JAにおきましても、津波で被災したいわきブランドのいわきネギ、トマトの生産再開と加工、販売への取り組みについて2事業を提案し、承認を受けました。またJAそうま、麓山高原豚生産振興協議会についても、地域や商品特性を生かした事業を提案し、すべての事業が承認をいただいたと伺っております。
JA綱領の1つに「地域の農業を振興し、我が国の食と緑と水を守ろう」という項目があります。このたびの支援を契機にJAグループ、農家、行政が一丸となって一日も早い農業復興を果たすことにより、皆さまのご期待に応えるとともにJA綱領の実現に向けて進んで参りたいと思います。
事業説明
「がんばろう いわき!『サンシャインいわき』ねぎ再生・復興事業」
いわき市農業協同組合 ねぎ部会 部会長 小宅 廣 様
次々と繰り出す「いわきねぎ」プロモーション
震災、原発事故からの復興のシンボルとして「いわきねぎ」産地を再生し、地域ブランドとしての取り組みを図ります。
津波被害を受けたネギ生産者を支援し、「サンシャインいわき」ネギ産地の再生を目指します。また、原発事故による風評被害により、福島県産農産物全体の市場価格が低迷しています。「いわきねぎ」を使用した「ねぎ塩ドレッシング」などの商品開発に取り組み、生産者の所得向上と地域農業の活性化を図ります。
「いわきねぎ」は、市内沿岸部が主要な産地。秋冬ネギであり、鍋料理に欠かせない。これから出荷販売を開始します。
また、いわきの農産物のマスコットキャラクターを活用して販売活動に取り組みます。
更に、地域ブランドねぎ部会において、地域団体商標制度を活用し「いわきねぎ」を登録、地域のブランド化を進めていきます。
「がんばろう いわき! 絶品『親バカトマト』ブランドによる地域農業の復興・振興」
いわき市農業協同組合 営農販売企画課 坂本 賢司 様
地元高校生と作ったトマトジュース
「親バカトマト」による新たな商品開発を積極的に推進し、地域ブランドに育成して地域農業の復興を図ります。現在、「トマトジュース」など新たな商品開発を地域農業高校(磐城農業高校)と連携して進めています。販路に関しては、JA直売所やインターネットでの販売、いわき農産物マスコットキャラクター「アグリン☆ファイブ」を活用した販促キャンペーンの展開など、関係機関と一体となった取り組みを進めることにより、新たな地域ブランド農産物として育成を図ります。今後は、トマトソフトクリームなどのスイーツ、トマトピューレなど新たな商品開発も積極的に進めていく予定です。
「親バカトマト」とは、品種名は「ごほうび」。「親バカですが、我が家の『自慢』のトマトです」というキャッチコピーをつけて、「親バカトマト」として平成6年(1994年)に誕生。6人の生産者が作る、土作りにこだわった、安心安全なトマトです。化学肥料の窒素成分量が地域で一般的に使用している量の半分ということで、特別栽培農産物の認証を受けています。
いわき市農業協同組合 営農部長 根本 一雄 様
いわき市は温暖な気候でトマト栽培に適しており、1,000トン、金額にして4億円弱の取り扱いがあります。親バカトマトを地域ブランドとして6次化に向けて商品開発をしていきたいと思っております。
いわき市農業協同組合 代表理事常務 片寄 利剛 様
トマトジュースを開発してくれた、磐城農業高校は、震災で壊滅的な被害を受け、実習用にJAの加工施設を貸したことからつながりができ、一緒に商品開発をすることになりました。この取組は子どもたちの教育の機会としても活用してもらっております。
「根深ネギを基軸とした農業復興」
そうま農業協同組合 北萱浜機械利用組合 組合長 林 一重 様
海藻やカツオ節の肥料で、うま味仕立てのネギを一年中生産し、若者の帰農を待つ。
復興を牽引するため、通年で需要があり、魚などの旨み成分を含む肥料を与えた(うま味仕立て)ネギを生産し、ブランド化を図ります。
当集落の津波被害は96世帯中65世帯が全壊、農地119ヘクタールが耕作不能になりました。農業機械は、トラクター、コンバインなど82台が流失し約2億円の損失、施設としてはビニールハウス50棟、約2億6,000万円の損失がありました。
このプロジェクトでは、地域の中で営農組織を立ち上げ、地域の地権者から農地を借り受け農地の有効活用を図り、ネギの地産化を図ります。現在、JAへ卸すほか、相馬市内の仮設住宅への訪問販売や、南相馬の道の駅、JA産直で販売もしております。学校給食への提供も検討しているほか、加工品の開発にも取り組んでいます。
また、今後農業後継者が地元に帰った際の生活の基盤づくりを図るため、稲作中心の農業から転換し、野菜を主体として1年間を通して数種類の品目が出荷できる営農組織の実現に向けて活動しています。玉ネギ、ブロッコリー、アスパラ、トマトなども含め、当組織で栽培に取り組む品目を独自ブランドとして販売します。
「うま味仕立て」とは、栽培中に定期的に海藻やカツオ節、貝の化石を肥料として使用し、安全でアミノ酸(イノシン酸・グルタミン酸)含有率の高い、食味のよい農産物を栽培することです。
根深ネギは土を30cmくらい掘って埋めることで白い部分を多くしたネギです。被災者農家5軒8人で肥料を開発し、うま味仕立てという独自の作り方で作っています。柔らかく、生で食べても甘いネギですよ。まず地元の人に食べてもらいたい。相馬はあまり雪が降らないので、一年中生産、収穫することを目指しています。今回のプロジェクトで地域ブランドを確立し、若い人が戻って来た時の足場作りをしたいと思っています。
「活力ある園芸産地を目指して」
そうま農業協同組合 新地園芸部会 部会長 林 隆雄 様
地域特産の農産物を使ったオリジナルかりんとうの開発
地域特産品であるニラ、いちじくの生産拡大と「かりんとう」など加工品の開発、販売を通して園芸産地復興を図ります。
新地町特産の農産物を原料とした「かりんとう」が、町を代表するお土産として観光業など地域の産業に波及し、地域全体の牽引役となることを期待しています。
委託製造販売により、ニラ(大人味・こども味)、いちご、味噌、トマト、リンゴ、ゴボウ等の味のかりんとうを開発しました。
原料に青果物の下位等級品を使用し、農家の手取りの向上を図り、また生産拡大により、遊休地の抑制と雇用労働の創出になると考えています。女性部の協力を得ながら地元農産物を原料とした加工品開発に取り組み、雇用の拡大と地域の活性化を図っていきます。
そうま農業協同組合 北部営農センター新地支所 支所長補佐 荒 智信 様
西東京市から復興支援の申し出をいただき、特産のニラを使って、旭製菓さん(西東京市)と一緒にかりんとうを作ることになりました。商品化に当たってはいろいろな問題が山積みの中、キリンさんが協力する「ふくしま復興塾」の皆様にもブランド化のアイデアをいただくなど、キリン絆プロジェクトのご支援のおかげで新地町の新しいお土産として開発できました。
「麓山(はやま)高原豚販売拡大に向けた付加価値商品の開発」
麓山高原豚生産振興協議会 会長 石井 友幸 様
23年かけて取り組んだブランド豚の県外供給がストップ。加工品に活路を求める。
平成2年(1990年)に立ち上げて23年間、麓山高原豚生産に取り組んできましたが、震災と原発事故後は、風評被害、飼料価格の高騰などにより、厳しい事業環境となっています。
今回のプロジェクトでは、麓山高原豚を使用した加工品を開発し、生産、販売活動の強化を図ることで、地域を活性化し、福島県内養豚事業をはじめ、福島県の農業の復興に貢献できるものと考えています。これまでは部分肉の供給でしたが、これからは加工品を販売し、地域ブランドの確立と、県外への供給、消費者の選択肢を広げることによる取扱量の拡大を図ります。
「麓山高原豚」とは、福島県内の11人の生産者によって限定生産されているブランド豚です。優れた種豚と厳選された原料による専用飼料(遺伝子組み換えでないトウモロコシ、キャッサバ、マイロ(こうりゃん)、エゴマ)で育てています。臭みのない柔らかな肉と、あっさりとキレのある脂肪が特長。店舗指定の限定販売で消費者に届くまでの品質管理もしっかりしています。
震災以降は県外への供給はすべてキャンセルとなりました。また震災と原発事故で専用飼料が一時供給できず、高品質を維持するために麓山高原豚としての出荷を諦めました。当初30人いた生産者も高齢化や津波被害で離農した方もおり、
11人になりました。震災後「今のままではダメだ」という思いでおりましたが、キリン絆プロジェクトのご支援を受け、飼料の開発や加工品に取り組みます。「もっと良いものを提供したい」という思いを後押ししていただきました。
協力団体代表挨拶
全国農業協同組合連合会 福島県本部長 本田 良智 様
徹底した検査で、風評払拭に取り組む
JAグループ福島は、大震災、原発事故以来、多くの皆さまの温かいご支援のもと、福島ブランドの復権に向けた営農再開、さらには消費者の皆さまに安全安心で美味しい高品質の福島県農産物をお届けするため、放射性物質の吸収抑制対策、米の全量全袋検査、肉用牛の全頭検査、野菜果物の全農家、全品目検査など厳格な放射性物質検査に取り組んで参りました。
多くの関係機関の皆さまのご協力のもと、消費者の皆さまに私たちの取組内容を紹介する風評払拭活動にも積極的に取り組んでまいりました。
営農再開におきましては、浜通りにおける被災圃場は、原発事故の避難区域を除きますが、徐々に復旧が進んできております。ただ、風評被害に回復の兆しこそ見えますが、残念なことに震災前の状況には戻っていない現状です。このたびのご支援をいただきましたJAいわきねぎ部会の皆様をはじめ、各組織の皆さまには、本日を契機に農業復興の加速化と、地域ブランドの育成を図っていただき、地域の農業、経済活性化の牽引役として、益々のご活躍をご祈念申し上げます。
主催者挨拶
キリンビールマーケティング株式会社 福島支社長 椎屋 直孝
福島に寄せる想い
福島に来て3年目に入りますが、実は以前から福島への赴任を希望しておりました。2年8か月前の震災では、福島の大地のみならず、福島県民の皆様の心が傷ついたということに、心を痛めまして、ぜひとも福島で仕事がしたいと願い出て参りました。
福島の食べ物、特に農産物は非常においしく、そしてたくさんの品種があることをもっと全国の皆様に知っていただきたいと思っており、私どもの商品だけでなく、福島の県産品をアピールしていく機会を作りたいと思っております。
私は福島県産が好きなのですが、私の妻も福島県産で、またそこで生まれた娘も福島県産です。今私がここで働かせていただいている思いと同じく、36人いるスタッフがキリンビールマーケティングを代表して福島のおいしさをもっと福島の皆さんに伝え、さらには全国の皆様に伝えていきたいという思いで仕事をさせていただいております。
その一つの形が、「氷結和梨」です。皆さんの右手に肥沃な大地が広がっておりますが、ここで8月から9月に収穫した幸水や豊水を使った「氷結和梨」。飲んだ方の感想は、「缶を開けた瞬間に梨の香りがする」、「みずみずしい、華やかな香りがする」、「梨をそのまま絞ったようでおいしい」、「これがお酒になると思わなかった」などの声をたくさんいただき、先ほど橋本常務が申しました通り、福島で非常に売れております。私としましては、ここでこうした仕事をさせていただくことができ、皆様のお力添えに大変感謝を申し上げる次第です。
畜産の皆様には震災前から大変お世話になっておりますが、2013年の「選ぼうニッポンのうまい! 2013」キャンペーンでは、福島牛のローストビーフを賞品として取扱いさせていただきました。現在、締め切りを過ぎて集計中ですが、全国の賞品の中でも上位7番目に人気の賞品になっていることを報告いたします。
懇親会
受贈者の方々の自慢の農産物、加工品を使った料理とキリンビールで、懇親の場が設けられた。地元の食材を使ったたくさんの料理が会場を彩り、「一番搾り とれたてホップ生ビール」の華やいだ香りに、平素の厳しい仕事を一時忘れて、参加者の気持ちも少し軽くなったのかも知れない。
《挨拶》
キリン株式会社 CSV推進部 渉外担当専任部長 伊藤 一徳
前進し続ける責務
私どものキリン絆プロジェクトは、昨年(2012年)末まではハード支援を行ってまいりました。農業は農業機械の助成、水産業は養殖施設の助成を進めてまいりました。福島では松川浦の青のりの施設に対して助成をいたしました。
たびたび被災地を訪れてきましたが、被害があまりに大きくて、我々の支援がどこまで届いているのか分からなくなり、時々無力感に襲われることもありました。そんな中、あるJAの組合長の言葉に勇気づけられました。「天は乗り越えられない試練を与えることはない」という言葉です。この言葉に、私たちは半歩でも一歩でも前進し続ける責務があると感じました。
きょうここに集った私たちは、何らかの縁や絆で繋がっているということです。きょうは事業プランのプレゼンをいただきましたが、素晴らしいプランを考えていただき、それが進み始めています。これが復興への継続的な活動につながることを心から祈念いたします。
《乾杯発声》
そうま農業協同組合 代表理事組合長 内藤 一 様
本日は、復興応援キリン絆プロジェクトということで、大変多額の支援をいただきました。昨年も復興支援をいただき、今、現場で大いに農業機械を利用させていただいております。昨年(2012年)は除染等に活用させていただいて相当の効果を上げておりますことに御礼申し上げます。
きょう、大変なご支援をいただいた組織におきましては、地元に帰りまして地域の活性化のために、事業推進のためにご努力をしていただきたいと思います。風評被害のために福島県の多くの農家の皆さまが苦労されていますが、きょうの組織の皆さまが事業を大きく飛躍していただくことが福島の農業振興につながると思いますので、ご支援に報いるようにご活躍いただきたいと思っております。乾杯!
2013.11.14「福島県JAグループ3団体贈呈式」おわり