そうま天のつぶブランド育成プロジェクト新商品発表会
そうま天のつぶブランド協議会
そうま天のつぶブランド育成プロジェクト~そうまが極める、つぶの力~
新商品発表会
日時:平成28年(2016年)8月5日(金)13:30~14:30
会場:JAふくしま未来 そうま地区本部3階会議室
 
 美しい稲田の風景が広がる福島県相馬地方。しかし、東日本大震災の津波冠水被害や東京電力福島第一発電所の事故により、一時は作付け不能や自粛・制限といった事態に見舞われ、さらには風評被害が今も地域を悩ませている。
 それでも生産者は負けない。生産者やJAふくしま未来そうま地区本部では、除染や除塩を徹底して行い、耕作地は大きく回復した。また、福島県が復興のシンボルと位置づけるオリジナル県産米である「天のつぶ」の作付けが、今年さらに拡大している。復興田でもしっかりと根を張り、倒伏が少なく、天に向かって真っ直ぐに成長する「天のつぶ」。復興のシンボルと言われる所以である。
 昨秋、米栽培農家とJAふくしま未来そうま地区本部は「天のつぶ」のおいしさを広く消費者に伝えようと「そうま天のつぶブランド協議会」を立ち上げた。以後、ブランド認知度向上対策として情報の発信、販売店や外食業者への販売、加工品の開発などを通じて、「天のつぶ」の認知度アップとブランド発信に努める活動を続けてきた。
 
 そして平成28年(2016年)8月5日、南相馬市のJAふくしま未来そうま地区本部において、同協議会はこれまでの取り組みの紹介と、そこから生まれてきた新たな加工品を発表した。
 新商品は通常よりも大きな篩網(ふるいあみ)で選別された「そうま生まれのプレミアム大粒米」と「炊き込みご飯の素」2種類、そして「ライススイーツ」「ライスクッキー」の5種類である。いずれも「天のつぶ」の特性を活かした新商品で、中でも「炊き込みご飯の素」は、地元の海産物を使い、海の街でもある相馬をアピールした、相馬ならではの商品となっている。また、昨秋までに開発されていた日本酒、せんべいも、これを機にパッケージを一新し、シリーズとしてイメージが統一された。
 
 粒の大きさが揃い、ふっくらと炊きあがる「天のつぶ」と、併せて地域の食材のおいしさも発信しながら、生産の振興と販売拡大を図り、さらには地域の食文化を伝承し、相馬地方の風土と魅力を伝えていく。
 蒼空の光をいっぱいに浴びた「天のつぶ」。初秋の風に稔り田が波打つ季節がもう目の前に近づいている。
 
《開会の挨拶》
ふくしま未来農業協同組合 そうま地区担当 常務 星 保武 様
 本日は、私たちの6次化商品の発表会です。その工程は、ハードルも高く、なかなかたいへんでしたが、やっといくつかの商品をお披露目することができます。よろしくお願いいたします。
《主催者挨拶》
そうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 昨秋(2015年)、協議会が立ち上がり、この間、様々な取り組みを続けてまいりました。首都圏での消費者の嗜好調査、スーパーでの販売対策、東京の「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」での「プレミアム天のつぶ」の販売なども行いました。また、ホテルの料理長様のご協力を得て、新たな料理のコンテストなども開催いたしました。
 ことし(2016年)、当地方における「天のつぶ」の作付面積は、全体の4分の1に相当する450ヘクタールに達しております。ブランド力の向上を目指し、今後も努力を続けてまいります。
《来賓代表ご挨拶》
福島県相双農林事務所 所長 小島 重紀 様(代読 企画部長 廣田 雅幸 様)
 福島第一原発の事故から、(2016年)8月30日で2,000日が経過いたします。相双地域におきましては営農再開、試験栽培、水稲の作付け拡大など農業の復興再生が徐々に前進しております。「天のつぶ」は、粒が大きくて食べ応えがあり、倒伏しがたいという特性を持つ、本県が15年の歳月をかけて開発した奨励品種です。そうま地区の「プレミアム天のつぶ」は、篩(ふるい)の網目を2.05㎜に設定して大粒の米を選別して、他銘柄と差別化することでブランド化を目指しております。「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」でも好評と伺いました。今後の風評払拭や当地域の米の生産再開に大きく貢献するものと考えます。
相馬市 産業部長 渡部 卓 様
 市長より預かってまいりました挨拶文を代読させていただきます。
 新商品の完成、心よりお慶び申し上げます。相馬市の津波被災農地の大部分は大部分が復旧しております。農地集積やコストの低減など効率的な農業生産の観点から創設された農業法人7社が新たな担い手として営農に取り組むなど、本市農業は順調に復興しています。農地の除染も今年度(2016年度)に終了する予定です。
 相馬市でも、これら取り組みを支援し、未来に向けての農業振興を図ってまいりたい考えです。「天のつぶブランド育成プロジェクト」は、相馬地方の農業の発展と生産者の生産意欲の向上に資するものであり、風評被害の払拭に大きく寄与するものです。
《取り組み報告 新商品発表》
そうま天のつぶブランド協議会 事務局 米津 友市 様
 天のつぶの本格的な生産開始は2010年からです。震災後は復興田でも倒れにくく栽培しやすいことから震災復興のシンボル米と位置づけ栽培が奨励されてまいりました。
 加工品については、2014年に「特別純米酒天のつぶ」、2015年には「天のつぶせんべい」を開発し、販売してまいりました。
 今回は、「天のつぶ」の粒の大きさを活かし、通常よりも大きな篩網(ふるいあみ)で選別した「そうま生まれのプレミアム大粒米 天のつぶ」の精米2㎏を販売します。
 また、大粒米と地元の海産物を使い、そうま地方の食を味わえる炊き込みご飯の素である「たこ飯の素」「しらす飯の素」、そして「天のつぶ」に興味を持っていただくための身近で購入しやすい商品として「天のつぶライススイーツ」と「天のつぶライスクッキー」も開発いたしました。併せてすでに販売しております日本酒とせんべいもパッケージをリニューアルし、シリーズでイメージを統一いたしました。
 プレミアム米につきましては(2016年)3月よりテスト販売や試食調査を実施しています。そして、今後は粒が大きいという特徴やおいしい理由、相馬地方の風景などを消費者の皆さまに感じていただけるパンフレットや商品納入チラシ、幟やポスターやジャンパーといった販促ツールを用意して、認知度向上を図ってまいります。
 また、今後は、一層の生産振興と拡大を目指すほか、プレミアム米はこだわり商品として寿司店など「天のつぶ」の食味と特徴が活きる外食店への展開を進め、レギュラー米については東京オリンピックなどを見据えてお弁当産業などへの販売拡大を目指す考えです。
《激励のご挨拶》
JA全農 福島県本部 県本部長 猪俣 孝二 様
 昨年(2015年)も新しい加工品の発表がございました。それに加え、炊き込みご飯の素や、スイーツ、クッキー、そしてプレミアム米などまた新たな商品が開発されました。生産者とJA、そしてデザイナーといったその道のプロの方が一緒になってご苦労された賜物と感じています。
 昨年と比べて思うことは、相当にバージョンアップされ、突き抜けたということです。山海の恵みの融合、そして洗練されたデザインの素晴らしさ。手にとってみたい、食べてみたいと思わせます。消費者や小売りを意識した、より良い商品を開発されましたこと、JAといたしましてはうらやましさも感じております。
 これからは、これら商品を消費者が方々の手に届き、この事業が地域と生産者に還元され、そこにJAもまた仲間に加えさせていただき、ともに知恵を絞り、汗をかいてまいりたく存じます。
キリン株式会社 CSV本部 CSV推進部 絆づくり推進室 室長 野田 哲也
 昨秋(2015年)、「天のつぶブランド育成プロジェクト」への支援を発表させていただきました。この間、協議会の皆様は、試食会などで消費者の生の声を集めたり、新商品候補の試作などを行い、そして本日を迎えられました。
 東日本大震災という未曾有の大災害に見舞われながらも、復旧し復興して、そして未来を目指すという力強い取り組みに、私たちもご一緒できますことをたいへん嬉しく思っています。
 本日発表された新商品が、相馬ならではのおいしさを発信し、地域が元気になり、相馬地区のブランド向上に寄与することを心より祈念しております。
 復興や地域創生に終わりはございません。これからも「絆」を紡ぎながら、微力ながらもサポートを継続させていただきますことをお約束申し上げます。
公益社団法人日本フィランソロピー協会 事務局長 落合 敦子
 キリングループ様と一緒に被災地に足を運び、JAや農業生産者の皆様にお会いするたび、地域への思い、復興に掛ける熱い思い、作物への愛情を感じ、感銘を受けると同時に頭が下がる思いです。
 「天のつぶは」、お米の粒も大きく、そして、相馬地方の風土に合ったお米だと伺っております。私も食べさせていただきましたが、しっかりとした食感があって、甘くておいしいお米だと感じました。このお米が地元の方々、そして東京の消費者の皆様にも届けられて、風土はもちろん、生産者やそこで応援している人々のストーリーを感じていただいて、相馬のファンが増えていったら素敵だなと思います。
 きょうの新商品発表から「天のつぶ」がますます知られていき、相馬を応援してくださる方々が増えてまいりますことをお祈り申し上げます。
 
《記念撮影》
そうま天のつぶブランド協議会
そうま天のつぶブランド育成プロジェクト~そうまが極める、つぶの力~
新商品発表会
 
日時:平成28年(2016年)8月5日(金)13:30~14:30
会場:JAふくしま未来 そうま地区本部3階会議室
 
 
《インタビュー点描》
そうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 ようやくここまでたどり着いたかなという気持ちでいます。多くの商品もでき、首都圏での販売活動も行い、一定の成果が出せたと思います、何よりも「天のつぶ」の作付面積が増えました。ブランド化を目指している、高く出荷できるといった「天のつぶ」を作付けするメリットが伝わりはじめたのかなと感じています。
 新品種の「天のつぶ」は、知名度を上げていく努力がもっと必要です。でも、名前と実際のおいしさが知られていけば、風評被害を払拭するトップランナーになれるのではと思っています。もちろん、すべての農作物を検査して安全・安心な作物をお届けしていますので、まずは食べていただけたら「おいしい」と言ってもらえる自信はあります。
ロイヤルホテル丸屋 総料理長 伊藤 比呂記 様
 私は「天のつぶ」を使ったお料理コンテストの審査員とレシピづくりのお手伝いを務めさせていただきました。「天のつぶ」は大粒でもちもちしていて、冷めてもおいしいお米ですのでお寿司にいいですね。また、リゾットにしてしまっても粒がしっかり残り、スープを吸っても噛むとお米の甘みが出てきますね。
 新商品も試食させていただきましたが完成度は高いと思います。例えばスイーツは、味の強いフルーツなどと合わせたらおいしいと思いました。
トラックスアンドストアーズ株式会社 代表取締役 西尾 望 様
 私はアートディレクターですので、天のつぶのデザインコンセプトの設計や、ロゴマーク、パッケージデザインなどを担当いたしました。
 お米は競合商品がたくさんあります。その中で、まだあまり知られていない「天のつぶ」というお米の認知度をどう上げていくか。その解決策をデザインに取り込んでいくのが私たちの仕事でした。粒が大きい、おいしいといったすべてを入れると結局はよくあるパッケージになってしまう。情報をそぎ落としていく中で、差別化を図ろうというのが狙いでした。まず、売り場で手にとってもらうことが大事。
 味に関しては間違いありません(笑)。デザインだけして終わりではなく、プロモーションのお手伝いなどでも、またご一緒できたらと考えています。
トラックスアンドストアーズ株式会社 プランナー 荒川 周介 様
 私はコーディネーター的な立場で、主に地域商品の開発を主にやらせていただいています。どんなに良い農作物でも加工となると衛生管理や機械導入、レシピ開発などで、とんでもない時間とコストがかかります。そこは「餅は餅屋」という考えで、委託事業者さんとマッチングさせます。また、しっかりと地元に入ってのヒアリングを重視し、地域をどう発信したいのか、誰に買っていただきたいかを伺い、コンセプトを可視化させて「他の商品とは違う」と認識していただくのが狙いです。ストーリー性は後からついてきます。ものがよければ、地域も知りたくなるはず。きょうのデザインもまだ試作と考えていますが、まずは第一ステージ通過かな。私たちは黒子ですが、しっかり応援させていただきます。
2016.08.05「そうま天のつぶブランド協議会/そうま天のつぶブランド育成プロジェクト新商品発表会」おわり

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