復興応援 キリン絆プロジェクト
いわきの農業・水産業4団体 新商品発表会及び事業成果報告会
日時:平成30年(2018年)1月30日(火) 10:00~13:15
会場:ワンダーファーム 森のキッチン(いわき市)
2011年3月の東日本大震災の発生により、福島県いわき市の農業や漁業は、原子力災害やそれに伴う風評被害などにより苦境に立たされた。「復興応援 キリン絆プロジェクト」では、いわき市の農業プロジェクトや水産プロジェクトに対して支援。地域の食文化を守るため、生産者や関係業者、あるいはマーケッターやデザイナーといった多くの人たちと繋がり、仲間を増やしながら6次化商品の開発に励んできた。
平成30年1月30日、いわき市の「ワンダーファーム 森のキッチン」において、農業および水産の計4団体による事業成果報告会と、開発商品を実際に味わうEat Meetingが開催された。「郷土の味を守り、地域にしっかり伝え残したい」「いわきのソウルフードを全国に発信したい」「おいしいものを食べて、みんなで元気になろう」「福島の食を世界一に」「仲間がいたからこそできたこと」と、それぞれの思いが力強く語られた。
いくつかの6次化商品を形にしたいわき市の「仲間たち」は、商品の販売と発信、そしてさらなる連携や新企画の立ち上げといった展開を通じ、次のステージを目指してこれからも走り続けていく。
【第1部・事業成果報告会】
《主催者代表挨拶》
いわき市漁業協同組合 代表理事組合長 江川 章 様
震災から7年という歳月の中、キリン絆プロジェクト様のご支援をいただき、4団体は、いわき市農林水産業復興のため、新商品の開発に思いや工夫を込めて懸命に取り組んでまいりました。本日こうして報告会を開催できますことを、とても嬉しく感謝しております。
キリングループ様には、新商品開発の時点から多くのご支援を賜りましたが、特に「前へ進む勇気」をいただけたことも大きな財産となりました。心から感謝を申し上げます。4団体はこれからも精進を続け、連携を深め、市の農林水産業の発展のために努力してまいります。
《来賓挨拶》
いわき市長 清水 敏夫 様(代理:いわき市副市長 鈴木 典弘 様)
本市農業と水産業の再生と復興に向けて、キリングループ各社様、公益財団法人日本財団様、公益社団法人日本フィランソロピー協会様には多大なご協力とご支援を賜り、厚くお礼と敬意を表する次第です。
本市は、風評払拭の取り組みとして、市役所に「見せる課」を設置し、生産者、関係機関・団体の皆様とともに、いわき産農林水産物の安全性やおいしさなど魅力を伝える「いわき見える化プロジェクト」を展開してまいりました。
一部農産物の取り扱い単価には回復傾向も見られますが、沿岸漁業については操業自粛が続き、沖合漁業もまた水揚げ量が震災前の水準に回復していないなど、厳しい状況にあります。
こうした中、いわき社中グループ、いわき市水産物6次化推進協議会、いわき水産商品開発協議会、F’sキッチンの皆様は、業種の異なる複数の企業と連携しながら地場産品を活用した新たな商品開発に精力的に取り組まれておりますこと、たいへん心強く感じているところです。
今後、その努力が実を結び、いわき産農水産物のブランド力向上、消費の拡大につながることを大いに期待しています。市としましても連携を密にし、いわき新時代を切り拓いてまいります。
様々なご支援やプロジェクトを縁として、様々な分野で絆が芽生え、地域の発展へとつながりますことを願っております。
《来賓挨拶》
キリンビール株式会社 福島支社長 橋本 岩男
本日、会場に並べられている皆様の商品を拝見いたしまして、とてもスタイリッシュな商品だと感じ入りました。新しい価値を提案していく中で、おいしくできた品々を、私どもの飲料とともに楽しんでいただけたらと考えます。
当社でもグランドキリンの発売や料飲店様で様々なクラフトビールの味わいを楽しんでいただける取り組みを全国で展開していきます。作り手が見えるビールとして新しいビール文化を提案させていただいております。幅広いラインナップの中から、皆様の商品に合うビールも見つかると思いますし、皆様の商品に合うビールを開発するという逆のアプローチもできると思います。
全国の方が福島の味と私どものビールを一緒に楽しんでいただけるシーンを想像し、楽しみです。私は営業の現場を預かっておりますので、皆様の商品の販路拡大にも微力ながら取り組ませていただけたらと考えます。
《事業成果報告》
いわき社中グループ(株式会社海神など計3社による協力団体)
真木 俊介 様
いわき小名浜は昔から干物が名産品ですが、近年、各種コストの値上がり等で苦戦を強いられています。また家庭で魚料理を食べる機会も減っています。でも現状を受け入れているだけでは仕事は生まれません。そこで私たちは、新たな需要の開拓といわき発の革新的な干物ブランドの開発を目指しました。
目指す姿は「いわき市の水産業の苦境打破」。ブランド力のある商品開発と新しい需要の創出が目標です。ただ、1社のみでは難しい部分もあるので、多くの企業に参画いただきチームを作り、やがては地元いわきへの地域貢献に結びつけたいと考えます。
今回の商品は『出汁入り鍋用干物』です。魚をメインとし、魚がしっかりと食べられる鍋のための商品です。私たちには煮くずれしないしっかりとした干物を作る技術があります。個食や簡便性など時代のニーズに合わせながら、協力企業が利益を残せるものを目指しました。現在3種類の魚を用意しています。
パッケージの中には固めた出汁も入っていて味付け不要。お水と好みの野菜や豆腐などを入れるだけで簡単に一人前の鍋が作れます。高齢者の方やお子様も食べられるよう骨抜きもしています。また、冷蔵庫で6日間、冷凍庫で180日間の保存が可能です。
昨年初冬、東北や関東のお店で試験販売を行いましたが、そこで見えてきた課題は、コンセプトが伝わりにくく、メインターゲットの高齢者や単身赴任の男性などが手を伸ばしてくれなかったこと。魚の骨が気になる主婦層が敬遠したこと。また、デザイン重視のパッケージだけでは販売につながらないといった事柄でした。そこで現在は、POP活用による商品説明、親しみやすいラベルデザインへの変更、分かりやすいパッケージデザインに変更するなど改良を加えました。
本年10月以降の本格販売を目標としています。キリン絆プロジェクトを通じ、多くの企業様やお客様に出会うことができました。また水産業界が抱えている課題にも気付かされました。今後は、家庭で魚を食べる機会が減った方にもアピールし、魚食の拡大にも貢献したいと考えます。
《事業成果報告》
いわき市水産物6次化推進協議会(いわき市漁業協同組合など計3社による協力団体)
いわき市漁業協同組合 係長 新谷 渡 様
私どもは漁協と仲買3社の合同で本プロジェクトを立ち上げました。魚種選定に当たっては、いわき市の「市の魚」であるメヒカリを選び、「メヒカリで地域も漁業もみんな元気に」を目標に商品開発を続けてまいりました。
震災が起こるまでは、メヒカリはたいへん身近な魚でした。小さな子どもにも食べやすく、アレンジも簡単。手間も掛かりません。しかし、試験操業再開後も水揚げ量は激減し、首都圏への販路も地元での消費量も減ってしまいました。
私どもは、メヒカリをいわきのソウルフードとして全国に発信したいと考えました。簡単で手間いらずで、大人も子どもも楽しめるおいしいメヒカリの新しい食べ方を提案したいのです。
魚食の普及も大きなテーマです。震災前には築地市場には「常磐もの」というコーナーもありました。その復活と発展も目指すところです。
ターゲットは、子どもがいる家庭、地元主婦、居酒屋、寿司店、小料理屋、お酒をたしなむ方などです。これまでなかった商品名ということで「メヒカリのフリット/セレブなメヒカリ」と名付けました。三枚におろして骨抜きと味付けをして、片栗粉をまぶし、真空パックして冷凍保存した商品です。お客様が調理する際には、油は一切使わずに加熱して食べていただけ、後片付けも簡単です。
実際の販売にはまだ至っていませんが、まずはコンセプトの周知を目指し、チラシや冊子、幟などを作成しました。4回の試食アンケートを通じて、味付けやパッケージデザイン、数量、販売価格などについての評価を得ることができました。
メヒカリを捌くのはたいへんな手間とコストが掛かります。今はそれを手作業で行っているため、販売ベースに乗せた場合の最終的な価格設定はできていません。しかし、再来年3月以降に加工場が本格稼働すれば大幅なコストダウンが可能となります。その時は、いわきのソウルフードとしての定着、チームの協働による全国展開、近隣の販売施設とのコラボなどによる相乗効果を狙ってまいります。
《事業成果報告》
いわき水産商品開発協議会(株式会社いわき魚類など計6社による協力団体)
いわき水産商品開発協議会 会長 鈴木 健寿 様
私たちは震災後、「魚でいわきを笑顔にするプロジェクト」を立ち上げました。いわきの水産物は大丈夫なのかという不安の声もある中、それでも魚はおいしいし、おいしいものを食べて元気を出そうというのは、食の根幹にあるものの一つです。
きょう発表させていただく商品は「あんこうどぶ汁」です。いわきでは、古くからあんこう料理が親しまれてきました。「どぶ汁」は、出漁した船の上で貴重な水をほとんど使わずにあんこうと野菜の水分だけで煮込むもので、あん肝のコクが濃厚で味わい深い漁師料理です。
水を使わないで作ること、そして「どぶ汁」という名前も強烈で、クセも強い。大好きという方がいる一方で、子どもたちは食べられるかなという思いもありました。また家庭で作るのはちょっと難しい。それでも、魚のおいしさを強く伝えることができる魚料理なのです。
震災後、キリン絆プロジェクトを通じて、多くの農家の方々とも知り合うことができました。地場の農産品とコラボしてチームで作りたいと声を掛けたところ、皆さん快くのってきてくださいました。
開発に当たって苦労した点は、あんこうの臭みを抜くことでした。260㎏のあんこうを4人で捌いたときは筋肉痛になりました。大鍋で試作したのですが、思う味にならずに「これ、どうしよう?」なんて悩んだり(笑)。でも、本来のおいしさを伝えられる商品になったと自負しています。
パッケージは2種類作りました。チーム内で意見が分かれたので、じゃあ両方使ってみようと(笑)。中身は同じですが「違いがあるの?」と足を止めてくださる方が増え、結果的によかったかなと思っています。
販売はことし1月からスタートしました。大きく宣伝を打つのではなく、地元を中心にじわじわと知られていくような商品としてじっくり育てていきたいと考えています。
《事業成果報告》
F'sキッチン(フランス料理HAGIなど県内の生産者と料理人が主に組織する団体)
代表 萩 春朋 様
震災直後、メンバーである農家の野菜の販売が苦境に立ち、売れ残って硬くなったネギを畑に還していました。そこで、そうしたネギを廃棄せずに商品化できないかと考えました。
農業者が加工品をつくるとき、商品のイメージづくりやデザインが難しい面があります。そこで、いわきの料理人やクリエーターたちも巻き込んだチーム「いわき6次化協議会」を結成してドレッシングを開発。これが好評を得て、年間3000~4000本ほど売れました。
味は濃厚ですが、私の店のミキサーが壊れるほどの硬いネギ。困っていたところに、キリン絆プロジェクトのご支援をいただいて、店の一部を加工場として改装して、真空濃縮ミキサーを導入しました。正式に保健所の許可を得て、今では瓶詰、缶詰、総菜・菓子・ジュース・ソースなどの加工製造ができるようになりました。
震災直後は、目の前の素材をどう加工できるかというスピード感が求められていました。支援でいただいた真空濃縮ミキサーは、時間とコストの削減に大きな威力を発揮しました。内部を真空にし、熱を加えてミキシングできます。酸化も防げるので非常に高品質な加工品が作り出せます。またレトルト装置も導入したため、アイデアが浮かんだらすぐに試作できるようになり、発売までの時間も短縮できました。
加工場は生産者と料理人が協働できるスペースです。農家は野菜を出荷しても、それを食べている人の顔を見る機会はありません。加工場ではみんなが一緒になってつくり、食べます。イートミーティングを開いて交換しあった情報を、畑に、調理場にフィードバックします。
最近ではいわきのムラサキサツマイモと鮫川村のジャージー牛の牛乳をコラボさせたジャムも作りました。企画から販売まで1週間かかりませんでした。また、伊達市からは桃のジュレ、宮城県東松島市からは名産の海苔を使ったドレッシング、岩手県遠野市からはホップシロップなどの開発も依頼されています。キリン絆プロジェクトで繋がれたご縁です。
そうしたご縁は、商品開発して終わりではもったいない。食を繋いでいくことが私たちのいちばんの目的です。「F'sキッチン」のFは、Fukushima、Food、Farmer、Fisherman、FutureのFです。農家のDNAを持つシェフを集め、生産者と料理人を繋ぎ、農業の価値を高めていき、水産業との連携も企画して、全国へ発信しながら福島県の食を世界一にすることを目指してまいります。
《激励の言葉》
福島県 農林水産部 食産業振興監 石本 仁 様
4団体様の事業成果報告には「福島の食と文化を守っていきたい」「地域を活性化したい」という熱い思いが込められていて、とても心強く思いました。
福島県では6次化を推進するため、平成22年に戦略をつくり、現在も「人づくり・絆づくり・仕事づくり」を施策の柱として各種の事業を展開しております。
また、キリン絆プロジェクト様からは、県内の農業者や漁業者が未来へ向かうための勇気と力となるご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
県内では6次化を目指す取り組みが盛り上がりを見せております。商品数も増えています。私どもが目指すのは6次化によって新たな地域産業を起こしていくこと。中でもいわき市は、そのポテンシャルの高い地域だと思っています。
このいわき市から、日本だけでなく、世界に羽ばたくような商品が生まれ、福島県を牽引してくれることを願っております。一緒にがんばってまいりましょう!
《激励の言葉》
公益財団法人日本財団 経営企画部長 荻上 健太郎 様
本日の事業報告、たいへん感慨深く聞かせていただきました。また、次のステージへのスタートラインでもあります。皆様と一緒に、初心を確かめ合ってまいりたいと思います。
キリン絆プロジェクトには、様々な取り組みがありますが、大きく言いますと、地域ブランドを作り、復旧だけでなく復興していこうということでご支援させていただきました。
その中で、いつも大切にしてきた4つの問いかけがありました。マーケティングでは「4C」という言葉もありますが、私なりにアレンジさせていただきます。
1つ目のCは「チャレンジ」。キリン絆プロジェクトは民間支援です。公的支援ではできない新しい挑戦をしていこうということです。2つ目は「カスタマー」。常にお客様の視点、お客様の立場を大切にしようということです。「食べてもらえれば分かる」「うちの商品が一番」といったふうに開発者を主語にしないこと。お客様の世界から見た新しい発想や気づきが見えてまいります。
3つ目は「コラボレーション」。つまり協働です。本日の4チームには生産者や加工業者、シェフの方など、たくさんの方の力で磨き上げ、多くのアイデアや考え、目線を通じてチャレンジしていくことが大切です。
そして4つ目は「コミュニティ」。地域ブランドは地元の皆様に愛され、地元と一体となってこそのブランドです。本日は、地元で、地域で一緒にやっていこうという皆様の前向きな言葉、そして展望に触れることができました。それが福島の未来をつくっていく中で、いちばん大事な基盤になるものと思います。
皆様の取り組みが、新たな絆を結んでいく、そんな活動になっていくことを願っております。
《激励の言葉》
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子
キリン絆プロジェクトに一番長く関わらせていただいたのは私ではないかと、個人的には思っております。震災以来、キリングループ様の復興応援に伴走させていただきました。本日ここで4団体様の事業成果報告を聞かせていただくのは、たいへん嬉しく、これまでのご努力に心から敬意を表します。
私どもは農業支援をやらせていただきました。きょう、漁業関係の支援を受け、魚を骨抜きにした商品を開発されたという骨太の男たちのお話を嬉しく伺いました。
萩シェフは「5F」。萩上さんは「4C」というお話をなさいました。私は「5K」でまいりたいと思います。
1つ目は「郷土愛」。故郷いわきへの思い、福島を誇りに思えばこその活動であったのだと思います。2つ目は、立ち上がる姿を子どもたちに見せたいという「気概」でしょう。
3つ目は、自分の力だけではできないのだという「謙虚」な心。仲間を信じ、助け合おうという心があったればこその、たくさんの成果なのだと思います。4つ目「根気」です。それは簡単なことではありません。震災後の厳しい状況の中で、決して諦めることなく進んで来られました。
そして最後の5つ目は、ずっと応援してくださっている「キリン」。後方からの支援だけでなく、一緒に泣いたり笑ったりしてくださりながら、ここまで一緒に走っていただきました。
きょうはまた、新たな出発点です。この「5K」を忘れずに、そして、これからも一緒にがんばっていく仲間でありたいと思っております。
【第2部・Eat Meeting(ランチショー)】
事業報告会の後は、4団体それぞれが開発した商品を実際に味わうランチ・ミーティングへと移った。
この日、用意された料理は、F'sキッチンの「いわき満州黒豚焼売」「さんまのポーポー焼きピッツァ」「福島りんごとフォアグラ」「鮫川村ジャージー牛乳のプリン」、いわき社中グループの「出汁入り鍋物干物『鍋干物』」、いわき市水産物6次化推進協議会の「セレブなメヒカリ」、いわき水産商品開発協議会の「いわき郷土料理『あんこうのどぶ汁』」の計7品だった。
関係者だけではなく一般から公募した招待客も交えての「食べる報告会」である。各団体の担当者から開発秘話や味へのこだわりといった事柄についての商品紹介や説明もあり、味わいをひとしお深めながら、楽しくおいしく行われた。
《インタビュー点描》
キリンビール株式会社 福島支社長 橋本 岩男
きょうの4団体の皆さんの発表は元気をいただけるような内容ばかりで、福島県出身者としてたいへん嬉しく、頼もしいと感じました。協働という言葉もありました。農家と漁業者の皆さん、そして加工品業者に料理人の皆さんが、一つの目標に向かってがんばっている。仲間ができたというその広がりの中から、また新しい夢への挑戦もできていくのだと思います。
私たちも、その仲間に加えさせていただき、量販店への販路や流通の拡大、そして家庭の食卓へ、私どものお酒や飲料とともに届けていけるような、そんなお手伝いができたらと願っています。ここからは私たちの出番もきっと増えていくでしょう。
《インタビュー点描》
福島県 農林水産部 食産業振興監 石本 仁 様
福島県では6次化商品の開発を進め、地域産業づくりに努めているところです。福島県は山のもの、土からの産品は数多いのですが、今回はいわき市の海のものを扱った商品がたくさん登場し、山も海もある福島県の「顔」が、よりはっきり見えてきたのかなと思います。
福島県は、6次化商品開発への支援は、他県に比べて手厚く行っていると自負しています。地域で活躍できる人材の育成もできてまいりました。これからはそうした人たちが結び合ったりコラボしたりという繋がりが広がって、どんどん地域を元気にしていくという取り組みができあがっていくことに期待しています。
若い方が参画し、がんばっていることも嬉しく思います。それは、キリン絆プロジェクトが盛り上げてくださったところでもあり、たいへん感謝しています。
《インタビュー点描》
F'sキッチン代表 レストラン「HAGI」オーナーシェフ 萩 春朋 様
商品がたくさん生まれたばかりではなく、つくっていく過程で仲間がどんどん増えていきました。みんなの素材を使ってみんなで加工品をつくり、みんなで一緒に食べる。そういう場所を、これからもつくっていくということが、支援を頂戴した私たちの使命だなと感じています。
震災前は料理人と生産者と食べる人が繋がるということはありませんでした。でも、きょうお出しした料理も、仲間が一品ずつ持ち集まっただけであれほどの料理が簡単にできてしまう。やはり仲間がいなければなしえないことってたくさんあるのです。そんなふうに繋がっていく機会をくださったキリン絆プロジェクトにはとても感謝しています。
製品を作ること、完成させることが第一ではありましたが、今回支援をいただいたことで、たくさんの方々とご縁を結ぶことができたということが何物にも代え難い宝物だと感じています。
今後は福島県内の、もっとたくさんの生産者や料理人と繋がりながら、世界に受けて発信できる団体になっていきたいと思います。
2018.01.30「いわきの農業・水産業4団体 新商品発表会及び事業成果報告会」おわり