公益社団法人日本フィランソロピー協会
お問い合わせ サイトマップ
ホーム
協会について フィランソロピー事業 e-コミュニティ 支援のお願い 企業フィランソロピー活動
定例セミナー
 
第227回
開催終了
新しく社会貢献やCSRのご担当になられた方や、もう一度原点に戻って考えたいという方を主な対象として、担当者として心得ておくべきポイントや課題などについて考えます。第1部では、嶋田実名子氏よりご講演をいただき、第2部では、グループに分かれてディスカッション。それぞれの「心得ABC」をまとめていただき、グループ発表を行ないます。。
テーマ
社会貢献担当者心得ABC
日 時
2008年4月17日(木)15:30~18:00
※セミナー終了後、講師との懇親会がございます。
(希望者のみ、1時間ほどを予定)
講 師
嶋田 実名子(しまだ・みなこ)氏
花王株式会社 コーポレートコミュニケーション部門
CSR推進部長 兼社会貢献部長
<プロフィール>
大学卒業後、2社を経て消費生活アドバイザーとしてフリーで活動。1986年に花王株式会社化粧品事業本部に入社後、広報センターでマスコミ対応を担当。2000年より社会・文化室長として社会貢献、メセナの活動責任者となる。2003年、財団法人花王芸術・科学財団の専務理事就任。組織改変に伴い、2004年よりコーポレートコミュニケーション部門社会貢献部長および花王芸術・科学財団専務理事事務局長を兼務。2006年より、コーポレートコミュニケーション部門CSR推進部長兼社会貢献部長、および花王芸術・科学財団専務理事事務局長を兼任。
書籍:情報センター出版発行『女性のための上司術』監修。日本経済団体連合会 社会貢献担当者懇談会 座長、郵便事業株式会社 年賀寄付金配分審査委員、特定非営利活動法人日本NPOセンター理事、国立文化財機構部会評価委員、東京都文化施設管理者審査委員会委員を務める。
会 場
三井物産株式会社 地下1階 多目的ホールエリアA
東京都千代田区大手町1-2-1
<最寄駅>
・地下鉄各線「大手町駅」C5出口直結
・東京メトロ 東西線「竹橋駅」4番出口徒歩5分
・JR「東京駅」丸の内北口徒歩15分ほど
定 員
70名
参加費
一般:5,000円
会員:2,000円
学生:1,500円
※懇親会は、別途2,000円の実費(希望者のみ)
お問合せ
社団法人日本フィランソロピー協会
担当:加勢川佐記子(かせがわ・さきこ)
こちら のフォームをご利用ください。
 
開催報告
嶋田 実名子 氏
開催要旨
第1部 嶋田実名子氏講演
私は2000年から社会貢献の担当になりました。最近はCSRという枠組みの中で社会貢献に取り組む企業が増えてきています。きょうは、そうした時代の変化を踏まえたうえで、改めて社会貢献の意義や位置付けについて、皆さんと考えてみたいと思います。
 
まず、企業社会貢献活動の現状についてお話したいと思います。
経団連が実施している調査によりますと、社会貢献への支出額は1社平均で4億5,400万円、経常利益の2.18%となっています。私は、こうしたデータを毎年経営会議で説明するようにしています。経営陣に社会貢献に関する理解を深めてもらうためには、こうした客観的な数字を定期的に報告することは重要であると考えるからです。
 
次に、企業環境の変化について。ここ数年、コーポレイト・ブランド力ということがよく聞かれるようになってきました。商品の性能自体の差があまりなくなってきたため、企業の「好き嫌い」で商品やサービスを選ぶ時代になったのです。それと同時に、投資家は投資を通して企業活動に影響を与えるようになっています。また、企業の透明性や公正さが求められる時代になったといえると思います。適切な情報開示を行い、企業ブランドを高めることが、大きな意味を持つようになったと思います。
 
そうした変化を受けて、企業は「社会を構成する企業市民」という視点に立つことが必要となりました。つまり、社会的存在の中に企業の価値創出を求めるようになってきたわけです。そして、CSRを企業の中に位置付けことによって、企業ブランド価値を向上させることが可能となるわけです。CSR構造を支える基盤部分は、コンプライアンスと企業倫理。これが企業ブランドも支えています。ここで何か間違いが起きたら一夜にしてブランドも失墜してしまいます。
 
企業の社会貢献の変遷についても見ていきましょう。
1980年代までは、企業の社会貢献活動にも陰徳という考え方があり、それを宣伝するなんてとんでもないと思われていました。1990年代になると、大型イベント協賛が盛んに行なわれました。しかしバブルがはじけた後は、「企業の社会貢献活動は終わった」などと云われ、一気に勢いがしぼみます。ただ私は、バブルがはじけて以降に本当の意味での企業の社会貢献が始まったのではないかなと考えています。つまり、より効率的で地道な活動に転換して、それをきちんと情報開示していこうというアプローチです。
そしていよいよ2002年ごろから、CSRという概念が日本に入ってきました。それにより、CSRの一環として社会貢献を位置付ける企業が増えてきました。企業の社会的責任という枠の中で社会貢献活動を捉えると経営者の皆様の理解を得やすくなってきましたので、私たちの仕事はずいぶんやりやすくなりました。
私は、社会貢献の定義というものは、「直接対価は求めないけれども、その企業なりの資源や専門能力を投入して社会的課題の解決に貢献すること」と捉えています。その活動を、様々なステークホルダーに公表し、交流していくことによって、社会との関係を一段と深めて会社の永続性が図れる。こういう効果があると思います。
 
ここで、花王の社会貢献活動について少しご紹介いたします。
当社では、「次世代を育む環境づくりと人づくり」テーマを設定し、重点活動分野を、「環境」「教育」「芸術文化」として活動を行なっています。この3つに加え、社員参加型の活動として「ハートポケット倶楽部」という寄付プログラムがあります。これは富士ゼロックスさんが始められたもので、いい制度だなと思い、早速当社にも導入しました。
 
最後に、「社会貢献の必要性」について皆様と考えてみたいと思います。
まず1つめに、企業イメージの向上。本業としての事業も大切ですが、それ以外の部分で、その企業がどういう活動をしているか、社会はすごく関心を持ってくれます。
2つめは、社員のロイヤリティの向上。仕事以外のところでも社員が活躍できるようなステージがあると、会社の活性化に繋がるのではないかと思います。
3つめは、リスク管理。社会貢献活動は根本のところで事業活動を支える活動だと私は思っています。またそういう誇りを持って取り組むことも、私たち担当者には必要なのではないでしょうか。
 
最後にいくつか私なりの「心得」をお伝えしたいと思います。
ひとつは「企業理念に合わせて方針を作る」ということ。次に「社員を見方にする」。それから「情報収集は足で稼ぐ」。例えば、新聞で面白い団体があったら、訪ねていく。それから、こういうセミナーにも足を運んで情報収集する。最後に「支援哲学を持つ」ことと「ミッションを常に意識する」。こうしたポイントを念頭に置いて、独創的なプログラムを創りだすことを目指していけば、仕事が面白くなって、世界も広がります。
第2部 グループ・ディスカッションで参加者がまとめた「社会貢献担当者心得10か条」
01.哲学を持つ
02.受益者に目線を合わせてニーズに応える
03.担当者が志・熱意を持つ
04.社員参加を心がける
05.良いアイデアや取り組みは積極的に取り入れる
06.身近なコトから始めて継続する
07.最前線の社員の声を反映する
08.NPO等との協働の場合、Win-Winの活動を工夫する
09.社内外の人脈作りを心がける
10.担当者自身が仕事を楽しむ
定例セミナーとは・・・
8月の除く毎月、フィランソロピーに関心のある企業、個人、NPO・NGO、研究者などさまざまな方々にご参加いただいています。フィランソロピーに関する幅広い分野から毎回テーマを吟味し、楽しみながら社会貢献の理解促進・活動ノウハウを得る機会としていただいております。イベントや交流会では、講師・さまざまな参加者とのネットワークを広げることができ好評です。 みなさまお誘い合わせの上、奮ってご参加ください。
<2008年度 幹事企業ご紹介>
本セミナーは、当協会を事務局とした企業幹事制を採り、年間テーマに沿って幹事の皆さまに企画・運営をお手伝いいただいています。
 
三和ホールディングス株式会社
大同生命保険株式会社
日本アムウェイ合同会社